熊野牛の特徴とは!?味や産地の豆知識
2018/05/11
熊野牛の特徴とは?
目次
熊野牛の最大の特徴は、焼いたときの芳ばしい香りの良さです。
肉質もきめ細やかで、口当たりもよく、肉の風味も優れています。
熊野牛の定義
以下の条件を満たすことによって、熊野牛と呼ぶことができるのです。
- 品種が黒毛和種である事。
- 和歌山県内在住の生産者に14か月以上飼育されている事。
- 肥育期間が26か月以上である事。
- メスについては、未経産である事。
- 日本食肉格付け協会により肉質投球が3以上であり、歩留等級がB以上である事。
- 枝肉の格付けがない場合は、熊野牛認定委員会が委託した2名の調査員にて、肉質などが確認され、問題ないと認めらること。
熊野牛の歴史
平安時代の中期に京都から和歌山県へ行くのに、
荷物を運ぶため連れてこられた牛が、根源だといわれています。
日本では、牛を食べる文化がなく、農耕用の貴重な労働力として利用されてきました。
肉食文化ができてきたころから、
農耕用の牛と選び抜かれた兵庫県の但馬牛の血統を掛け合わすことによって、
最高級の熊野牛が誕生したといわれています。
また、2004年12月からは、ブランド牛の品質を担保するため、
熊野牛認定委員会が品質チェックをする制度を導入されました。
熊野牛の希少性
和歌山県の牧場で飼育されている数は、170頭~200頭ほどで、
毎月の出荷頭数は、何と約8頭ほどと、かなり希少価値の高い黒毛和牛なんです。
多くは、和歌山県内の精肉専門店や料理屋さんなどに出荷されるのですが、
出荷量が少ないため、県内でも20店舗ほどと限定して出荷されています。
熊野牛を堪能するには、現地へ訪れるか、
お取り寄せするか、いずれかの方法でしかないでしょう。
熊野牛の品質保証
熊野牛は、「熊野牛トレーサビリティシステム」を導入しており、
購入した牛肉が「どこで生まれ」「誰が育て」「どこでと畜された牛なのか?」が、
識別個体番号により、分かるようになっています。
このシステムは、誰がについて、さらに詳しく生産情報を確認することができ、
安心・安全でおいしい熊野牛を保証しています。
<熊野牛トレーサビリティシステム>
http://wakayama.lin.gr.jp/trace/index.htm
熊野牛はどのように育てられる?
繁殖農家
いい品質の牛に育てるには、優秀な遺伝子を持ったオスの牛と交配させる必要があり、
選び抜かれた遺伝子を購入し、人工授精されます。
繁殖農家で生まれた子牛は、母親の牛と一緒に暮らします。
約1週間~10日ほど、牛舎で育てられるのですが、
成長に合わせ、その後7ヵ月~10カ月ほど、広い牧場にも出され元気に成長していきます。
繁殖農家にいる間、定期的な牛の検診も行われ、健康な状態でセリに送り出されていきます。
子牛セリ市場
子牛のセリ市場では、年4回開催されます。
電光掲示板に牛の年齢や体重などが表示され、
その情報をもとに金額を付け、競られて行きます。
肥育農家
肥育農家へと運ばれた牛は、約26カ月~28カ月の期間、肥育農家で過ごします。
エサは牧草や配合飼料が使われるのですが、
極上の熊野牛に育てるためには、まず、牧草を食べさせて胃を大きくします。
そして、だんだんと配合飼料を増やしていき、筋肉や脂肪を増やし恰幅のいいウシ柄となっていきます。
体重が約800キロ~850キロほどになるころには、
牛は食肉処理場へ出荷され、消費者へと渡っていくのです。
熊野って、どこ?
和歌山県南部に面しており、
三重県との県境の「熊野地方」からブランドの名前が付けられています。
人口約2万人の市で、熊野古道が世界遺産に登録されたことで有名です。