近江牛の特徴とは!?味や産地の豆知識
2018/05/11
近江牛の特徴とは?
<肉の繊維がきめ細かく、柔らかい食感>
牛肉はきめが細かいほど美味しいといわれています。
近江牛は、そのきめ細やかさと柔らかなとろける肉質なのが特徴です。
<目減りや水引が少ない>
輸送中に牛の体重(生きている状態)が減少しにくかったり、
牛をさばいた状態(枝肉)でも水分が蒸発しにくく、重量が減少し肉のが特徴です。
<美しい霜降り>
ブランド牛全般的にいえることですが、
肉や脂肪の色、ツヤ、霜降りの入り混じり方などの評価の高さが、
高級なブランド和牛としての特徴といえるのではないでしょうか。
この美しい霜降りこそが、舌をうならせる美味しさの秘密なんでしょう。
<程よく粘りある脂質>
程よい粘り気のある脂肪で、甘みを感じることができるでしょう。
良い脂肪には、ツヤがあり、白もしくは、クリーム色で生肉を鑑賞するだけで唾をのみ込んでしまいます。
日本3大和牛の中でもリーズナブルな近江牛
日本三大和牛の松坂牛、神戸牛、近江牛とも、
ルーツをたどれば同じ但馬の黒毛和牛であるものの、
どこで飼育されるかによって、牛肉の価格にが変わってきます。
もちろん、牛が成長するまでに約2年半ほどかかるので、
自然環境、水、エサなどによって、和牛の旨みも変化するのですが、
元をたどれば、同じ黒毛和牛ということ。
また、肉の格付けもブランド和牛となると高品質として認定されているものになります。
正直、何が違うのかと言えば、産地と
ブランド和牛としてのPR(宣伝)量の違いで、この事を知っているプロの料理人は、近江牛を選ぶことが多いんです。
名前は伏せておきますが、名店と呼ばれる京都の老舗やレストランでも、
近江牛をメインに取り扱っていることが多いのは事実です。
プロの目からすれば、三大和牛である品質保証とブランド力、価格帯、
すべて総合的に見れば、断然「近江牛」を選ぶ理由がなくなってしまうほどです。
近江牛の牛の種類
滋賀県には、日本一大きな湖があり、
水の文化が強く、恵まれた琵琶湖の水と自然豊かな環境で飼育される黒毛和種の牛です。
過去のルーツをたどると、近江牛のとなる牛は、但馬の牛となりますが、
現在では、必ずしも但馬牛を素牛としなくても良いそうです。
つまり、近江牛の定義としては、「滋賀県で飼育された黒毛和牛であること」となります。
結構、ざっくりとしているのですが、
近江牛の認定書や認定シールが発行されるのは、品質がA-4、B-4以上の格付けされた牛のみとなります。
※このマークをしっかり覚えておいてください。
しかし、認定されていない牛でも、定義を満たしていれば、近江牛と呼ぶことができるので、認定証やシールがない場合は、少し注意しないといけないかもしれません。
近江牛の歴史
近江牛は、ブランド和牛の中でも日本一歴史が古い牛です。
約400年前の戦国時代に豊臣秀吉が小田原城を攻めた時に、
秀吉の家来である武将に牛肉を振る舞ったという歴史上の事実が残っています。
なぜ、近江には肉食文化が早くも根付いていたかというと、
ポルトガル人宣教師によってキリストの教えと共に、肉を食べる習慣が広められたからです。
江戸時代にキリスト教が禁止された時に、肉を食べるのも禁止されたのですが、
彦根藩は秘かに近江牛を生産しており、幕府への献上物として牛肉のみそ漬けが渡されていたそうです。
もちろん、牛肉が禁止されている時代ですので、名目上は養成品の薬とされていたみたいで、
反本丸(へんぽんがん)と命名されていたことが書物に記されています。
近江牛の希少性
近江牛の出荷は、なんと年間6,000頭と、数が限られているんです。
なぜかというと、1頭1頭の近江牛を大切に育てるため。
放牧では、生まれない高品質の牛に成長させるためには、
牛を育てる高い技術と生産者の愛情がいきわたってこそ、
あのとろけるような美味しい霜降り和牛を食べることができるのです。
近江牛が食べるエサとは?
豊富な素牛を扱う近江牛は、食べるエサも農場によってこだわりが違ってきます。
基本的には、食物繊維が豊富な近江米の藁を乾燥したものをエサとして食べているようです。
生後20か月の近江牛は、何と1日4キログラムの藁を食べ、
絶妙な霜降りへと成長させるため、肉質と脂肪の割合を整えます。
藁には、肉牛にとって必要な栄養素がたっぷり含まれていて、昔からの肥育の伝統が引き継がれています。
ビタミン・蛋白質・ミネラルを含んだエサをたくさん与えることによって、
より精度の高い近江牛へと育って行きます。